丹後のひな祭り

春の訪れとともに「桃の節句」が近づくこの季節。
日本各地で、その土地ならではの華やかなひな祭りやイベントが行われています。

美しい海岸線と豊かな自然に囲まれた丹後でも、この地域ならではの伝統的なひな祭りイベントや、お祝いの場にかかせない郷土料理など、丹後ならではの桃の節句をお祝いする行事が各家庭や地域で行われています。

今回は、そうした丹後地域ならではの「ひな祭り」をご紹介したいと思います。

≪目次≫

お祝いの席に欠かせない郷土料理「丹後ばらずし」

丹後の郷土料理 丹後ばらずし

丹後の各家庭で昔から作られている「丹後ばらずし」の歴史は古く、若狭湾に面する丹後半島でサバがよくとれた事から生まれた郷土料理です。

鮮度が落ちるのが速いサバを、長く楽しむために工夫して生み出された料理が「鯖のへしこ」や「丹後ばらずし」などで、「丹後ばらずし」では、甘辛く煮付けたサバを細かくほぐした“サバのおぼろ”を散らすのが特徴です。

「丹後ばらずし」は“ハレの日の味”として、現在でも祭りの日や結婚式、お正月やお盆、ひな祭り、お誕生日、運動会など、人が集まる席で食べられる定番の料理となっています。

また、丹後地域の学校では、次の世代へ伝統の味を引き継いでいく授業として「丹後ばらずし」を調理実習などに取り入れ、丹後地域の歴史や文化を子どもたちに伝えています。

酒蔵や醤油の蔵元が造る「甘酒」

甘酒のイメージ
甘酒のイメージ

ひな祭りに甘酒を飲むのは、長寿への願いと厄払いの意味があると言われています。

丹後でも、歴史ある酒蔵や醤油の蔵元が、この土地で育てた良質な米と丹後の清らかな水で「甘酒」を造っています。

創業から百年以上の歴史を誇る醤油蔵「小野甚味噌醤油醸造」で造られる「米糀100% あま酒」は、京丹後産コシヒカリの米糀のみで造った、添加物無添加・ノンアルコールのあま酒です。米糀100%の為、飲み口はあっさりしており、砂糖・甘味料不使用の為、米糀由来の自然で優しい甘味をお楽しみいただけます。

小野甚味噌醤油醸造
小野甚味噌醤油醸造

300年余りの歴史ある酒蔵「白杉酒造」では、古くから伝わる伝統的な酒造りの技法を守り続ける一方、革新的な酒造りにも挑まれており、ここで造られる甘酒「SHIRAKIKU AMAZAKE【S】エス」は、現代的でオシャレなパッケージがとても魅力です。
従来の甘酒が好きではなかった杜氏が「自身も飲めるおいしい甘酒を作りたい」との思いから生まれた「SHIRAKIKU AMAZAKE【S】エス」は、白糀が出す天然のクエン酸による爽やかな酸味と米糀の自然な甘さで、デザート感覚の甘酸っぱい甘酒となっております。

白杉酒造
白杉酒造

その他、赤い日本酒としても有名な「伊根満開」の酒粕で造った「伊根満開甘酒<もも酒>」など、それぞれの蔵元が地域の風土を活かしてこだわりの甘酒を造っています。

厳選された素材と丁寧な製法で作られた甘酒は、優しい甘さと深い風味が特徴で、大人はもちろん、子供にも安心して楽しめる一品です。

丹後の文化を感じながら、家族みんなで味わえる伝統の味わいをぜひ試してみてください。

丹後のひな祭りイベント

旧尾藤家住宅(ちりめん街道)
ちりめん街道 旧尾藤家住宅

ちりめん街道 ひなめぐり

約20軒の民家に明治から平成までのひな飾りが展示されます。
中でも注目なのが、江戸時代の丹後生糸ちりめん商家だった「旧尾藤家住宅」にて、11代当主 尾藤庄蔵氏の妻と娘が所有していたお雛様が一般公開されています。

その他にも、街道沿いの空き空間を利用して、マルシェやワークショップ、スタンプラリーなどが開催されます。

ちりめん街道 ひなめぐり(与謝野町観光協会)

京都・久美浜 雛祭

豪商稲葉家に伝わる貴重な「御殿雛」や、東稲葉家に伝わる江戸時代の雛人形が、奥座敷十畳の間一杯に飾られます。
また、久美浜地区の女性が手作りした竹雛200体程が展示・販売されます。
この竹雛は毎年とても人気で、無くなり次第終了となりますので、気になる方はお早めに!

その他にも、「竹あかり作り体験」や「竹雛作り体験」などのイベントが開催されます。

第21回 京都・久美浜 雛祭(京丹後ナビ)

小町公園「ひな人形」飾り

歌人で有名な世界三大美女の一人「小野小町」ゆかりの地で、ひな人形の展示が行われます。

展示されているひな人形は寄付されたもので、展示後はひな人形に対して感謝の気持ちを込めて「人形供養」を行います。人形の引取り希望者には供養後に無償で譲っていますが、人形以外のぼんぼりや牛車(ぎっしゃ)などはその場で持ち帰ってもよいそうです。

各家庭で子どもの健やかな成長を願って愛されてきた「ひな人形」。
その供養が行われることで「ひな人形」への感謝の気持ちが表現され、ひな人形は「役目を終えた」として清められ、無事に安らかにその魂が昇華されます。

第8回 小町公園「ひな人形」飾り(京丹後ナビ)

丹後では、各家庭で古くから受け継がれてきた郷土料理やひな人形の最後までを見届けるひな祭りの文化など、ひな祭りを通じて地域の人々が共に祈り、絆を深める大切な時間でもあります。

丹後にお越しの際には是非、丹後の食や丹後の町でしか味わえない特別な体験を通して伝統に触れ、心温まるひとときをお過ごしください。

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