ビールに欠かせない「ホップ」。
ビールのCMでホップという単語を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。ビール作りの際に使用される植物で、ヨーロッパでは観賞用としての栽培や、ハーブとして食材、アロマ、伝統薬などでも親しまれています。
この夏、スタッフが庭で育てたホップを使って“ホップ自由研究”をしてみました。ビールだけじゃもったいない!いろんな飲み物に入れて、香りや味の変化を探ってみました。
≪目次≫
そもそもホップって・・・?
現代のビール製造に欠かせないホップは、苦みや香り、泡もち、殺菌作用などさまざまな役割があります。品種ごとに苦みや香りの特徴が異なり、目的に応じて使い分けられます。香り付けのタイミングや温度で苦味や香りの出方が変わるのも面白いところです。
植物としては多年生のつる性植物で、毎年新しいつるを伸ばし、秋に枯れても地下の根から次の年に芽を出します。春から夏にかけて8メートルを超えるつるを伸ばすことも。ビール作りで使うのは、花(毬花)の部分です。
ホップを家で育ててみた
野菜向けの大型プランターでチヌークとカスケードの2種を栽培。春に植え付けて日々水やりをし、夏には見事に花をつけました。緑のカーテンとしても活躍してくれます。
観賞用としても可愛い花毬。多くのビール製造では、このホップを乾燥・粉砕しペレット状に加工したものが使われています。
育てたホップでドリンク実験してみた
ホップの内部には「ルプリン」という黄色い粉があり、ここに苦みの元の成分や香りを生む精油が含まれています。収穫したホップをビールに漬けると、このルプリンからくるホップの苦み・香りなどのフレッシュな風味がプラスされ、いつもと違う楽しみ方ができます。
本来であればビールでのレビューをしたいところですが、筆者はアルコールが飲めないため、今回はビールではなく、さまざまな飲み物にホップを加えて試してみました。ホップはもともとハーブの一種で、香りや風味を活かせばビール以外の飲み物でも楽しめる、はず・・・?
という事で、馴染みのあるソフトドリンクを用意して実験。
試したドリンクは「紅茶」「レモンティー」「炭酸水」「リンゴジュース」「グレープフルーツジュース」「緑茶」「コーヒー」「水」の8種類。
実験方法
・ホップを半分に裂き、少し揉んでティーバッグに入れ、各ドリンクにセット
・漬ける時間は1分程度で少し混ぜる
ホップそのものの香りと味は…
直接舐めるととっても苦い!ビールの苦さ、ホップの役割はこれかなと想像します。(今回の実験として一抹の不安が)香りとしては、草っぽさに加えレモンやグレープフルーツを思わせる柑橘感でとても爽やか。針葉樹やハーブのような爽快感もあり、子どもの頃に入った山や、木を切ったときの匂いを思い出す良い香りです。
各ドリンクでの結果

- 紅茶(微糖)・・・香りがよくグレープフルーツのような香りが鼻に抜けるものの、後味にくる苦みが強烈。
- レモンティー(微糖)・・・元のレモンティーの甘みが抑えられ、渋みは柔らかく。ホップの爽やかさが加わり香りはぐっとアップ。舌のふちに苦みが残る。
- 炭酸水・・・ハーブ水のようにフルーティーで飲みやすく、香りも爽やか。後味の苦味は控えめ。
- リンゴジュース・・・爽やかさが増して「大人のリンゴジュース」に。後味の苦味は炭酸水を少し足すと緩和され、香りが立って美味しくなる。
- グレープフルーツジュース・・・最初はほぼジュースそのもの。後からホップで苦味の奥行きが出て、悪くはない。後味の苦さは控えめ。
- 緑茶・・・香りは爽やかでレモンティーのよう。飲むと(子供の頃に飲んだ粉薬のように)渋く苦い。が、後味はすっきり。クセになる意外な美味しさで配分を工夫すれば更に美味しくできそう。
- コーヒー(無糖/加糖)・・・香ばしさに酸味やナッツのような風味が加わり、一番意外な好相性。アイスコーヒーにするとさらに飲みやすいかも。
- 水・・・想像通りの香りの良い苦い水ができました。好きな人は居るかもしれないけどお勧めするほどでもない。
今回の実験の個人的なランキングとしては、 炭酸水>コーヒー>グレープフルーツジュース>リンゴジュース>緑茶>レモンティー>水>紅茶 という感想に。合うと思った紅茶系よりもコーヒーやお茶の方が合うと感じたのはかなり意外でした。
個人の味覚の好みはもちろん、ホップの品種を変えればかなり順位は変わりそうです。
実験全体の感想
ホップの香りと苦味をよく感じられ、飲んだ瞬間にホップの爽やか香りにより軽やかに感じる印象でした。後味の苦味が強すぎると感じる場合もありますが、組み合わせにより意外な風味を感じることもあり、アルコールが飲めなくても、ホップの香りの魅力を十分に楽しめました!
温度や飲み物の成分などでも変化がありそうです。
後日、ビールが飲める人にこの「追いホップ」を試してもらったところ、初めての香りに驚きつつ、風味の変化を楽しんでいました。(すでに酔っていたので詳細は不明ですが…笑)
ホップを知るとビールがもっと楽しくなる
今回、ホップを栽培し、様々なドリンクで試してみました。香りをかぐだけでもワクワクでまるで夏休みの研究の気分でちょっとした実験として新しい発見ができました。
品種によってさまざまな香りと風味のあるホップ、普段のお気に入りのビールにどんなホップが使われているかチェックしてみるのも面白いかもしれません。
ちなみに、敷地内で育てたホップを朝摘みして午後に仕込む季節限定のフレッシュホップビールもあります♪『丹後王国産フレッシュホップ100%』を使った特別な一杯で、売り切れの場合もあるので販売状況は商品ページでチェックしてくださいね。(夏に収穫して仕込みますので販売はだいたい秋からになります)

TK100-Fresh HOP MEISTER [Green]
さらに、クラフトビールの製造から飲むまで体験できるサブスクサービス「TANGO KINGDOM Beer LOVERS」も。自分で育てたホップで作る限定ビールが届きます。気になる方はチェックしてみてくださいね!

来年の夏は、皆さんも一緒にホップを育てて、自分だけの香りや味の発見を楽しんでみませんか?