丹後の羽衣伝説と七夕

涼やかな夏の行事の七夕。

丹後の地にも、七夕伝説は美しく根付いています。

今回は、京丹後「七姫伝説」の一つである”羽衣伝説”と”七夕”の結びつきや、五節句の一つである七夕にまつわる食をご紹介したいと思います。

≪目次≫

丹後地方で語り継がれる2つの羽衣伝説

丹後には2つの羽衣伝説が語り継がれています。

その内の一つが、七夕伝説に結びつく物語として今も語り継がれています。

日本最古の羽衣伝説

京丹後の磯砂山(いさなごさん) 日本最古の羽衣伝説発祥の地
京丹後の磯砂山(いさなごさん) 日本最古の羽衣伝説発祥の地

羽衣伝説は、奈良時代に編纂された『丹後国風土記』逸文に記録された伝承が発祥とされており、丹後の伝説が日本最古と考えられています。

物語は、現在の磯砂山の頂上に池があり、そこに八人の天女が舞い降りたところから始まります。天から舞い降りた八人の天女は水浴びを始めるのですが、そのうち一人の羽衣を、ある老夫婦が隠してしまいます。天に帰れなくなった天女は老夫婦の一人娘として十余年暮らすことに。

この天女は酒造りや機織りにとても優れており、天女が造った霊酒は「万病に効く」と評判になり、そのおかげで家は豊かになりました。しかし老夫婦はやがて、天女を家から追い出してしまいます。嘆き悲しんだ天女は次の歌を詠みます。

❝天の原 降り放け見れば 霞立ち 家路惑ひて 行方知らずも❞

その後、各地をさまよった天女は奈具村(現京丹後市弥栄町船木)に辿り着き、「豊宇賀能売命(とようかのめのみこと)」として奈具神社にまつられています。

三右衛門(さんねも)と天女

TANGO KINGDOM BEER 七姫ビール ピルスナーのラベル 羽衣天女
TANGO KINGDOM BEER七姫ビール ピルスナーの「羽衣天女」ラベル

もう一つの羽衣伝説は、七夕に結びつく「三右衛門(さんねも)と天女」といった物語として語り継がれています。

こちらも一つ目のお話と同じく、天から舞い降りた天女が水浴びを始めます。それを見ていた若い猟師の三右衛門(さんねも)が、その中の一人の羽衣を家に持ち帰ります。

羽衣を奪われた天女は天に帰れず、仕方なく三右衛門の妻となり、三人の娘をもうけます。天女は農業、養蚕、機織り、酒造などの技術を村人に教え、比治の里(現京丹後市)を大いに豊かにしました。

しかし天が恋しい天女は羽衣を見つけ出し、「七日七日(七日ごと)に会いましょう」と言って天へと帰っていきましたが、その約束は天邪鬼によって「7月7日(一年に一度)」に変えられたと伝えられています。

その後、天女のもうけた3人の娘の一人が五穀豊穣・衣食住の守護神としても信仰されている「豊宇賀能賣神」として、現在の京丹後市にある「乙女神社」に祀られており、お参りすると美しい娘を授かるという言い伝えがあります。

丹後の七夕にまつわる食

そうめん

そうめんのイメージ

七夕に食べられるそうめんは、天の川をイメージした涼やかな夏らしい料理です。

もともとの由来は、古代中国で七夕の日に「索餅」という小麦粉と米粉を混ぜて作った縄状の食べ物を食べることで、無病息災を願う習慣があり、その風習が日本に伝わり、やがてそうめんに変化したとされます。

また、日本では「五節句」として季節の節目に疫病除けを願って特定の食べ物を食べる習慣があり、七夕は五節句の一つである事から、夏の暑さで食欲が落ちる時期の七夕では「そうめん」が食べられるようになりました。

細くて白いそうめんは「織姫の織り糸」や「天の川」に見える事からも、七夕との結びつきが深い食べ物である事が知られています。

こだわり市場でも、丹後ならではのシルクパウダー入りのそうめんも販売していますので、お中元・お歳暮などの贈答に是非ご利用ください!

ばら寿司

丹後の郷土料理 ばらずし

七夕にはそうめんと一緒にちらし寿司を作るご家庭が多いのではないでしょうか?

京都・丹後地方の七夕やお祭りには、「ちらし寿司」の一種である郷土料理「ばらずし(丹後ばら寿司)」が欠かせません。雛祭りや七夕、お祭り(ハレの日)用に丹後の家庭で作られるご馳走です。

七夕の夜に、ばら寿司を使って天の川や星をモチーフにした華やかなちらし寿司を作ってみませんか?

七夕にまつわる地酒

丹後の地酒イメージ

丹後地方は、羽衣天女のお話にも反映されている通り、農業や酒造りが昔から盛んな地域で、酒米・水・気候に恵まれ、個性豊かな地酒が揃っています。

その中で、丹後にまつわる伝説の七姫をモチーフにした与謝娘酒造の「丹後七姫 純米吟醸」や、ハクレイ酒蔵の「天の川」などは、羽衣天女や七夕にちなんだお酒です。

その他、こだわり市場では、夏だけの特別な地酒なども販売しております。数量限定の為、気になる方はお早めにお求めください!!

一見ロマンチックな物語と思われる羽衣伝説ですが、現代の感覚からすると人間の身勝手さや理不尽さが際立ちますね。

しかしながら、丹後の羽衣伝説は、農業や酒造り、機織りといった丹後地方に昔から根付く人々の暮らしが色濃く反映されていて、丹後の人々の豊穣を願う文化のルーツが見える興味深い伝承となっています。

こだわり市場では、七夕に欠かせない素麺やばら寿司、その他にも丹後の夏を味わえるメロンや地酒など、季節の商品を多数取り揃えておりますので、是非一度覗いてみてください♪

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